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編集者のための定規/薄くて便利で小さくて/モノサシで簡易級数表

なんだかまとまりの無いタイトル。

さて昨今はセミナーとか行ってきたりして、そのレポートも書こうかなとは思いますが、まず給料元に提出するほうを書きつつあり、しかし全然終わらないので現在諦念と戦い中です、はい。

さて一方、僕のポケットに忍ばせるツール類、その2(か、3?)なのですが、こんなカード。
編集者のための定規/薄くて便利で小さくて/モノサシで簡易級数表_b0062477_0391216.jpg

シンワのサイトにある「クラックスケール・カードタイプ」700円)
80mmの定規と、罫線スケールが一体になっています。

しかも頑丈(たぶん踏んでも大丈夫でしょう)。
しかも0.5mm目盛り。

これ、本来は「クラックスケール」で、シンワの製品で建築系アイテムなのをハンズで見つけて買ってきた次第。
編集とかDTPの人も、同社の30cmとか100cmとかの定規は使ってますよね。
それらと同様の仕様で、15cmで、裏に罫線スケールが入ったタイプもあるのですが、やはり財布や胸ポケットに収まるサイズというのは非常に便利です。

と申しますのは、僕の場合スーツを着て仕事(中でも外でも)しているわけではないので、使えるポケットの数とサイズに限りがあります。
その一方で仕事の内容上、常にすぐ使える位置に「メモ」「スケジューラ」「ペン(三色ボールペンとか)」「カッターナイフorハサミ」「電卓」「定規」「級数表」「級:ポ換算表」「罫線スケール」「網点濃度スケール」「ルーペ」「カラーチャート」などなどが欲しいわけです。(これらについて、このWeblogの「Stationary」カテゴリで詳述していく予定です。)

そして立ち歩く以上は、それらすべてが携帯できていたらいいなぁ……という願望。
あるいは無謀。

A列・B列などの洋紙寸法は、暗記しておきませう。
基本の数字を覚えて、あとは2倍4倍。
本当は三五判とか菊判とかの寸法も暗記したほうがプロっぽいとは思いますものの、僕の仕事では必要性がさほど無いのでした。


で、このシンワ製のクラックスケールは短い線分ならば、ペンで直線を引いたり切断したりするガイドにもなりますし、そもそもmm定規は級数・歯送り表の代替として一応は使用可能なわけです。

ご存じない方の為に(←偉そうだなコラ)解説しておくと、
1級は4分の1mm(0.25mm)ですので、
4級=1mm になります。
そのため、たとえば20級の漢字のボディ・サイズは5mm
したがって20級の漢字×4字分の長さは20mm
ということになります。
よって、4字を測って「14mm」なら「14級」、「26mm」なら「26級」というわけで。

かな&漢字1文字だけでは、仮想/実ボディのサイズを正確に知ることは困難というか事実上不可能なため、5mmを測って20級という数字を出すことは困難ですが、
4文字(8、12、16文字でも構いませんが計算が発生するので面倒)ならば、漢字の“頭と頭”あるいは“センター(中心)とセンター”を始点&終点にして、一般的な文字サイズに対しては事実上正確に、長さを得ることができます。

無論これは和文正体ベタ組み専用で、かつ見出しetc.における手作業の加工が入っていると厳しいのですが、そこは経験で補正したり……。
(平体・長体の場合、それぞれタテやヨコの「元のほうの長さ」を参考にできたりもしますが、これもツラいですね。)

mm尺のモノサシ一本あれば、級数表がなくともQ値をゲットできるわけです素晴らしい! まあ透明の級数表と較べてしまうと使いづらいですけれど。
……いや、この「4文字mm=級数」メソッドは、キャリア数十年のベテランの方に、編集1年生か2年生のころに教わったのです。
つまり、受け売り。

で。
このメソッドを応用して「2.8文字分(※)を測ってポイント数を割り出す」とか色々考えたのですが、文字数を小数点以下なんて、ちょっと非現実的なので「4文字mm=級数」→「それを換算式でポイント数に」という方法のほうがマシでしょう、たぶん。
(※……2.8字じゃないかも。計算し直すの面倒なので放置。)

というわけで、このカードは編集作業に必携のアイテムとして使えるので、胸ポケットに忍ばせる次第です。
なんといっても、これには普通の定規には無い「罫線スケール」までついているワケですから! (これを級数スケールの補助としても使えたり。)

……もっとも、罫線スケールではなくて、あくまでも本来は「クラックスケール」すなわち建造物などに生じた割れ目(クラック)の幅を読み取るためのもののようです。そのため、印刷物で使うようなものとは、罫線(←だから違う)のラインナップが異なるので、若干そのあたり使いづらくはあります。
※カード式になっている罫線スケールや、DTP関連の本の巻末についている附録を見ると、ラインナップの揃え方の差異が判ります。


また、mm尺のモノサシが実際には「0.5mm」になっているという点は、肉眼で『活字寸法』や『紙面上の組版要素のサイズ』を測るには、いささかならず不向きです。
無論それらの用途には、「ルーペ」+「0.5mm目盛り」が必要になることもあるのですが、これはカッターナイフで刻印を削り落としたほうが良いのではあるまいかと思えてしまうところ。

……これらの問題点については、いろいろ考えた結果、僕なりのアイディアが出てきました。
それは次回のエントリにてup予定。

そんなのいらねー、建築用で良いのじゃ! という方は、東急ハンズとかネット通販とかで入手可能だと思います。


シンワ測定
http://www.shinwasokutei.co.jp/japanese/about.htm




というか、もっと便利な方法とかが判明すると僕は助かります。ご存じの方はご教示いただければ幸いです。
……それは次のエントリおよび、水面下で動いているその関連の計画を瓦解させてしまうのですが。


それ以前に、計算まちがってないですよね今日の記述。
少々ならず眠いので……。



(2006.06.30追記)
http://fezn.exblog.jp/5149520/に続く。
by fezn | 2006-06-29 23:52 | Stationary


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