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線数メータと長老の物語

 7月17日 (sun) に、印刷博物館に出かけた話はしましたが、そこで「線数メータ」なるものをゲットして参りました。
http://www.printing-museum.org/

 Web上の関連情報は、FeZn/Sinfonia:[線数メータ]に放り込んでおきました。

 要するに、印刷物の網点をチェックしちまおうという恐ろしい道具で、前回ミュージアムショップに行ったときには気づかなかった次第。(というか、あまり時間がなかった)

 実物の画像はこちら↓
IS.COM:SCREEN LINE METER
http://idlingspace.com/etc/lpi.html
 実際スキャナによる干渉が出てます。わお。

 級数表のような樹脂製の薄い板。あるいは厚いフィルム。カードサイズ。
 キモは細かい扇状をなす、線の集合で、網点の印刷物の上でまわしていくと、綺麗な十字状のモアレが生じまして、その十字の中心点の結ぶところが、その印刷面の線数という次第。

 ルーペでのぞき込んで、プロの技で見分けるしかないのかなぁと思っていたのですが、なるほど便利なものがあるもので。(超プロでなくとも、焦点を結ぶ面に0.1mm単位の目盛りが見えるルーペで、出来る模様。むー。)
 1050円ですが、それだけの価値はあるかなぁと思います。これ、800線まで計れるわけですから。
 しかしその800線というスペックを生かし切ることは無いでせう。たぶん。
 ……ハッタリアイテム?

 ……いや、勉強用ですよ(汗)。たぶん。
 どういう印刷物にどういう印刷技術が合うとか、諸々。(某結婚情報誌は宝石を綺麗に見せるためにFM網点で刷ってるとか云々)

 身の回りにある印刷物は、175線や200線ぐらいのものが多いようです。ところでlpiとdpiとその他解像度とかの関係は未だに勉強中ながら未だに不明不明です。
 あと、K版だけで刷っている書籍の本文が妙に高い数字が出るように見えるのは、2倍のところが見えているだけ、なのでしょうか。
 (あと、奥付に200線と明記してある某DTP本が190線ぐらいで十字が交差してたり?)
 出力解像度がどうとか、
 イメージセッタ経由かCTPかで違ってくるとか、あるのでしょうか。
 うーむ。まあそのあたりまで知らなくても良いような気もするのですが。エディターですから。

 製版・印刷に詳しい超絶ベテランのM氏などは、印刷物をちらと見て「ちょっと線数高すぎるんじゃないかねぇ」となむ仰ったりします。どうして分かるんだろうとか思ったり。
 まあこのM氏、通常なら隠居しているぐらいの年齢の方なのですが、超現役。業界経験が僕の生物年齢の倍以上ってどういうこと。
 以前、ある仕事でベテランの人に僕が生意気なことを言ったら「君が生まれる前からこの業界でやってるんだ」となむ言われましたが、その方が生まれる前からM氏は現役だったわけで。すげぇ。(僕が言った内容もM氏の言葉の引き写しだから、ある意味では(以下略))
 ……森繁久彌みたいですね。フランキー堺が亡くなったとき、誰だったか(小林信彦だと思う)のコラムに「彼に憧れて入ってきた人たちが、やがて重鎮になって、その後に次々と倒れていく。それなのに当の森繁がいまだに映画に出続けているというのは凄いことである」と。(記憶から抽出) なお彼は「中堅」と言える年齢のころ、東映の長編アニメーション映画「白蛇伝」(1958)で声を当てていて、その映画に感動して人生が変わってしまった(すくなくとも1つの要因ではあるらしい)宮崎という人が数十年後、巨匠になって作ったアニメ(1997)にも声を当てていて吃驚。ハヤオさん当人も感動。

 話を戻しますが、かくしてFeZnは線数メータを持ち歩く生活に。仕事が仕事ですから使う機会はありませんが。ま、薄い樹脂製の板ですから、かさばりませんし。
 で、ネタ切れした6月に連載しようと思っていた「小道具」編のスタートです。というか「Stationary」なるカテゴリを新設してみました。カテゴリ名称は変えるかもしれませんが、大連写真シリーズのように連日投稿も難しいと思いますゆえに。(あちらもカテゴリを作って放り込むかもしれません)
 持ち歩いてるルーペとか、以前手を切った使いづらい(のに愛用してる)テープカッターとか。
http://fezn.bblog.jp/entry/110916/


※このエントリは7/25に下書きして、27日あたりにExciteサーバに登録し直して、公開モウドにしたのは7/28。(RSS上の日付情報とか、錯綜しているかもしれません。)
by fezn | 2005-07-27 15:50 | Stationary


メディアの海の片隅で、ぷかぷかと漂っているクラゲ。文字とか組版とか、勉強中。


by fezn

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