和文フォントのBold処理の秘密。……というほど大袈裟なものではないけれど謎を孕む。

書き貯めエントリ群による「無理矢理《日刊》」シリーズ。
2006/12/09 あたりに、Voxのサイト(http://fezn.vox.com/)のほうで書いたエントリの改造転記、であります。

和文フォントの、Bold処理の中身。(FeZn/Firework/inVox)
WordでBoldをPDFにして拡大表示(FeZn/Firework/inVox)

「下書き」のつもりが、もう1年以上たってしまったのですね……

さて今日のお題は、AcrobatとWordと。どっちも古いバージョンなあたりが泣けますが、それはさておき。

WindowsXP上の「Microsoft Word2000」、「Adobe Acrobat4.0」の試行結果。(もう別の環境に移行しつつあるのですが……)。

*.doc(Word)ファイルをPS(prn)→Distiller4→PDF化してAcrobat4で見る
と、文字をBold化したところは、文字を重ね打ちしているのが見えます。
(ズレています)



プリンタで出したものをルーペで見ても、そのようには見えません。(非PSプリンタ=GDIプリンタも同様、かどうかは実験してませんでした)

さて、解像度の違いか?
画面表示とプリンタの違いか?

……とはいっても、ある意味では自明のことですよね。

ワープロソフトなどの「Bold機能」は、
  1. ◆フォント名でBoldが関連づけられているフォントは、Boldを呼び出す。
  2. ◆そうでないフォント(和文フォントはどれもそう)は、Regularを(少しずらして)重ねて、太らせて見せているだけ。
……なのだそうです。(何のメディアで読んだのだったか? 記憶不鮮明ですが)
組版ソフトの一部(QuarkXPressとか)に実装されているBold処理も、同様なのでしょうか?(メインに使っているWindows版EDICOLORにはBボタンが無いので)

※言うまでもありませんが『Bボタン』はBold処理のボタンであって、ダッシュするアレではありません。だからキノコも出てきません。

※Acrobatがアドインとして作動する状態のMicrosoft Wordで「PDF書き出し」をすると、また違うのかもしれませんが、まあそんなことは……ないと思います。

ただ、この「ワープロでの、和文フォントのBold処理は、重ねて表示しているだけ」という一言で片付けるのもどうかなぁと思います。
なぜならば、以下の例を見ると……

[図版1] WordでBoldその1.jpg
b0062477_23563079.jpg


[図版2] WordでBoldその2.jpg
b0062477_23564480.jpg


Wordで100ptにして500%表示にしても、重ねてい るようには見えません。


一方、10.5ptの文字列を含むWordファイルを、 PSプリンタドライバから*.ps(*.prn)ファイルを書き出して、それをDistillerに喰わせたファイルは、 Acrobatで超拡大表示すると、このように「重ね打ち」してあるのが分かります。

[図版3] WordでBoldをPDFにして拡大表示.jpg
b0062477_2356571.jpg



条件を変えて、100ptの文字を打ったWordファイルをPDF化してみると、 Acrobat上で超拡大しても、重ねている様子は見えませんでした。(これは画像なし。)
10.5ptの文字列の場合に、特に目立つ……ということなのでしょうか?
※100ptの場合も、表示するときに瞬時の遅れがあり、 その経過を見ると、あきらかに「重ね打ち」しているのが分かります。


そんなことをメモしているときに、ふと思ったりしました。
「重ね打ちで太くするというのは、写植からの発想ではあるまいか?」と。
いや、以前聞いたことがあるのです。
「手動写植の時代、太い書体が無い場合に、少しだけずらして重ね打ちする技があった」と。



……などと妄想していると、日頃の大変なこととか面倒なこととかが、さぁっと消えていく……ような気がしませんか? しませんか。
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by fezn | 2008-02-04 23:52 | DTP


メディアの海の片隅で、ぷかぷかと漂っているクラゲ。文字とか組版とか、勉強中。


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