活版再生展セミナーレポート(1)

(2008年01月/日刊シリーズ)
・引退した写植機&分解されつつあるそれを見に行くの巻
・活版再生展で第一人者のバクダン発言を聞きまくるの巻 ← このエントリ
・気が付いたらザダン会(サタン会ではない)に居たの巻
・年の瀬に写植機型録を見に行ったら色々な人が居たの巻

※しかも、3分割になりました。(汗)



■1■東京幻想行(嘘)概観/平面に結ぶ図像たちに惑わされる。

2007年05月12日[土]から13日[日]、濃密体験帝都行をしてきました。
12日は表参道をうろついて東郷神社を見てAssistonを物色して諸々ゲット。
そのあと三軒茶屋「キャロットタワー」に行き、『活版再生展』を観て、高岡昌生氏の「活版の昨日・今日・明日」を聴講。
内容は実に実に刺激的。本稿ではこれを詳述。
夜は大正的空間のビヤホール、銀座「ライオン」にて食事。いやあ各方面で絶賛される、職人のビール注ぎ術には感服するしかありませんでした。

13日は先ず、朝食をとってから、印刷博物館&PPギャラリーへ。印刷博物館の企画展は、ポスター印刷の話。「美人のつくりかた」なるテーマに当初は食指は動かなかったものの、蓋を開けてみれば近代印刷技術(しかも、それぞれの時期の最先端)を概観しつつ、社会の各層を通底する視点もあって意想外にナイス。
数ヶ月後、展示内容をまとめた本をジュンク堂で発見したので即購入。

※『大正レトロ・昭和モダン広告ポスターの世界―印刷技術と広告表現の精華』
http://www.amazon.co.jp/dp/4336048355

当時のメモによると印刷博物館でメモ帳や手ぬぐいを購入。とあるものの、はたしてそれらはどこにいったのか……。

そのあと、お台場で開催されていたグレゴリー・コルベールの「Ashes and Snow」を観に行きました。
いやあ、「animal totem」とはまったく違うモノとなっていました。
そして写真展というよりは映像展の様相。(いや写真&映像&建築&書籍?)
結局、写真集『Ashes and Snow』などを買ってしまいました。たしか1万円の。
理由は? 衝撃ですよ。衝撃。
最近(2008年01月)アート系の書籍を扱っている店舗に赴いたところ、このフル写真集を売っていました。今からでも手に入りそうですので、興味あるかたは探してみてはいかがでしょう?

■2■活字で文章を組む/文章を鋳込んだ活字

「活版再生展」の開催されていた「キャロットタワー」への道は、比較的簡単にワカりました。なにぶん、ポスターがそこかしこにありましたから。
そして建物はニンジン色。……だからキャロット?


さて。会場へ。

「“活版再生”展」セミナー「活版印刷―昨日、今日、明日」

関連URLをいくつか貼っておきます。
■生活工房|イベント情報・詳細|活版再生展
http://www.setagaya-ac.or.jp/ldc/modules/events/event_detail.php?id=98

■芋づる式に: 活版再生展_2
http://imo.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/_2_4d85.html

■JDN /活版再生展
http://event.japandesign.ne.jp/news/9853070329/

■SAB LETTERPRESS | ブログ | 活版再生展
http://s-letterpress.jugem.jp/?eid=31


さてセミナー会場に入ろうとすると、受講料(?)500円と引き替えになにやらビニール封筒に入ったものが渡されました。
講演の最初、高岡先生の言によれば「せっかく来てもらえたから、500円の元がとれる…かどうかはともかく、お土産がわりに。」ってことらしいのでした。いやそんなの無くてもモトは取れますからって!


  1. 歪ませた罫線の入ったハガキ
    活版の罫線を組んで、ハンマーでガチガチと叩いて歪ませているとの由。これは細川護煕元総理から用箋を依頼されたときに使った技だそうです。
  2. kazui press の名刺
    いわゆるルビ活字が使用されています。このサイズは仮名・数字のみ、とのこと。
  3. 「主の祈り」活字の印字
    (名刺の真ん中、だったと思います。いま手元にないので。)12ポイントの正方形の活字ボディに、新約聖書の「主の祈り」全文を彫り込んだもの。モノタイプの彫刻機(?)で、技術デモンストレーションとして製作されたもの。
    これは非常に小さく細かいものなので、刷るのにも大変な技術が必要だそうです。圧をかければつぶれてしまい、かけなければかすれて読めない、と。
    そこで取った方法が「二度刷り」だそうです。
    上の線は2ptだそうで。これは世界最小のもので、横から力が加わると折れてしまうという……。


続いて会場で挙手アンケート。
  1. 「活字」を見たことのない人……ゼロ。
  2. デザイナーや編集者が多い。
  3. 印刷関係者は少ない。



というわけでスタート。
当時の手書きメモを書き写すだけで精一杯です。はい。


■3■第一人者が語る、活版の昨日、今日、明日



★★【プロローグ】嘉瑞工房の紹介★★




「新宿の片隅でやってます」
##たしかこのあたりで?「近くにガソリンスタンドがあって、爆発したら活字は全部溶けてしまうだろう」という話。
名刺や便箋などの印刷、活版清刷の製作、etc. 欧文組版に強い。
「ほかの活版印刷所が持っていない書体」が“売り”。
写植の時代でも細々と続いてきた。
DTPの発展に伴い、なぜか活版和文の仕事が増えた。(Mac和文組版が増えて、「そのゆえにこそ」らしい)
現在の比率……和文:欧文=6:4

その依頼の内容……わざと太らせる、わざとかすれさせる etc.
「なぜだろう?」


■コラボレーション
一昨年11月:TVCM16本

e.g.
資生堂の展覧会 HAIKUのロゴ
韓国の歌手Keiのアルバム 版そのものを(反転させて)使用
UAの6月のアルバム →コンサート招待された。「役得」
##たしか「普段は尊敬されないが、このときばかりは娘に尊敬された」
ディプロマ(葛西薫design)→位置出し用に刷ったらグラデになった→それが採用に。

■コーポレートタイプ
ドイツの会社は合理的。
##たぶんLinotypeの、CI関連の話だったと思う。企業専用書体?
使う事の少ない字種はoption扱い。(デフォルトはフルセットではない。)
スモールキャップス、オールドスタイル数字などは
要/不要をヒアリングして(?)決めていく。


日経BP社のロゴ変更の話。
立野竜一design
##SUNTORYのロゴマニュアルについて、あとで質問……し忘れた。デザ現に載っていたロゴ規定に反した商品を見たことがある、気がする。

■工房の現状
昨年(2006年)のNHKの番組の話。
「滅びゆく●●」というテーマで取材していたが、嘉瑞工房に来て驚いた。まだ元気。むしろ好調。
美大で活版の実習etc. 取材が終わったあと、ディレクター? が個人的興味で話を聞きに来た。

印刷博物館(凸版)/「印刷の家」
開館の2年前からアドバイザ
組版台は高岡氏の設計
いわく「奥さんの手足のサイズを測って設計した。」

ライノタイプの極東顧問
※ライノタイプ・ライブラリはモノタイプと合併(買収?)。1万書体以上の権利を有する、世界最大のファウンダリに。
コーポレートタイプの仕事。(サントリーのロゴが契機となって)



エントリが長すぎて Excite Blog の限界を超えました。次エントリに分割します。
next掲載は今夜か明日か。
次回、いよいよ活版の昨日・今日・明日について語られます。
http://fezn.exblog.jp/7999880/


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by fezn | 2008-01-30 08:33 | Wandering


メディアの海の片隅で、ぷかぷかと漂っているクラゲ。文字とか組版とか、勉強中。


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