編集尺『迷走編』/version0.3~0.4、新メモリと両面化、そして量産。

「これまでのあらすじ」:
一枚のカードに「ミリメートル定規」「罫線スケール」「網点スケール」「級ポ換算表」「用紙寸法」などを詰め込むことを思いついた鉄と亜鉛は、そこに用いるべき「文字や約物のサイズを読み取ることに特化した目盛り」として、コクヨUD定規のウェーブ目盛りと似て非なる、そして古き背標にインスパイアされた「山形目盛り」(県名とは関係ない)を生み出し、それを組み込んだカードを「編集尺」と名付けたのであった。



第二話のクライマックス(?)における山形メモリ(←カナで書くとコンピュータ部品のようだ)の発明後、プリンタ+厚紙+カッターによる試作品の試用結果に気をよくした(調子に乗った)鉄と亜鉛は、このころ(2006年04月)計算尺の合理性に感動していたこともあり「目盛りを使って、欲しい数値をはじき出す」という仕掛けを、編集関連の各種数値を得るために作れないか、と考えていた。


……せっかく「編集尺」を名乗るのですから、単に「カードに色々載っている」だけではなく、「目盛りを使っていろいろな数字をはじき出せるor読み取れる」ようにしたいところです。
単に物差しであるだけではなく、その中には既に簡易級数表の機能(第一話)、簡易ポイント表の機能(第二話)は搭載しているわけですし。

従来型の用紙寸法表(編集尺v0.1にも採用)については、「狭いカードに載せるには、通常の記載方法では勿体ない」という考えを持っています。(いました。)
たとえば、以下のような表だと……
  • A5 148 x 210
  • A4 210 x 297
  • A3 297 x 420
  • B5 182 x 257
  • B4 257 x 364
  • B3 364 x 515

A5の長辺「210」はA4の短辺であり、
A4の長辺「297」はA3の短辺であるわけです。

そこで、たとえばこのように並べると、どうでしょう。
左端(「A5」の左)に「148」、
「A5」と「A4」の間に「210」、
「A4」と「A3」の間に「297」、
「A3」と「A2」の間に「420」……
といった具合に。

148 A5 210 A4 297 A3 420 A2 594

A4の場合…… 148 A5 210 A4 297 A3 420 A2 594
A2の場合…… 148 A5 210 A4 297 A3 420 A2 594

A5ならばA5の左右、B4ならばB4の左右の数字を読み取るわけです。
これで面積が節約できる、というわけで。
これは編集「尺」ですから、A5とA4の間を丁度10mmにして、定規のmm値の数字と連動させます。
ここでは小さなほうから並べましたが、定規と連動させるには降順で配置したほうが良さそうですね。

こういった表は他にないので馴れが必要かもしれませんが、馴れればなんとか使えるものです。
………………たぶん。

で、A系とB系だけではなく、事務で用いる『封筒』のサイズも調べられるようにしてみたいところです。
「角型」「長型」「洋型」などがありますが、配置できる数はレイアウトの上から考えると、二つ。使用頻度は洋型が低いようなので除外します。

こんなかんじになります。

b0062477_147443.jpg


「角」「長」とあるのが封筒寸法。こちらは水平ではなくて垂直に読みます。
従って、一つの目盛りが複数の意味を持てるようになるわけです。たとえば「20mm」の目盛りは、上から順に、こう読めます。

  • 20mm
  • 20級  (4文字で測る)
  • 14.17ポイント  (4文字で測る)
  • 角型2号(240×332)  真上の数字
  • A2(594×420)  左右を読む
  • 「2cm」 太い数字
  • B2(728×515)  左右を読む
  • 長型2号(119×277)  真下の数字


そのほかの改善点として、「mm尺と連動した極小のポイント表の密度を増やし、配置を入れ替える」「0.5mm目盛りを、最後の10mmだけでなく80mm定規の全体に変更」etc.しています。
実は公開していない「0.1a」においては、もともと80mm定規の全体にわたって0.5mm目盛りを配していました。もともと山形目盛りの「麓」に、短く刈り込んだ状態で載せることにより、「普段は気にならず、見ようとしたときにだけ目に入る」目盛りを志向するものであり、0.1bは「それは難しいかなぁ」と穏健派に傾いていたのです。

で、それらの変更を反映した、「編集尺0.3」の全体像。

b0062477_1473024.jpg


どうして「0.1b」の次が「0.3」なのかというと、たぶん「0.1b」としてデータが残っている分が、実は「0.2」だったのでしょう。「0.1a」こそ真の「0.1」


確か、この時点の、mm←→inchなどの計算式の中には間違いが混入していた筈です。あとで直しました。



さて、前回のエントリ(第二話)は、印刷総合情報サイト PRINT PORT で6/30に取り上げていただきました。
携帯用編集ツール開発プロジェクト
http://print.johf.com/log/20060630e.html

いまのところ個人プロジェクトのようですが、 印刷会社なら、 営業マンが持ち歩いてもいいし、 得意先に配ってもいい。 プリンターメーカーなら、 自社製品の PR にも使えそう。 オープンソースなんだろうか。


オープンソース(OpenContent?)か否かというと微妙なところです。というのは現在すでに、自分だけで決められるものではなくなっているからです。
つまり0.4以降は個人プロジェクトに非ず、ということで、
そして「得意先に配る」まさにそれが有効なのはそのとおりで、
先回「レーザープリンタだと無理があるんヨ」と述べた欠点をひっくり返す「印刷機の使用」と「量産化」が可能になりました。



変更点は、以下の通り。
  • 両面化しました。(「片面では勿体ない」から。)まあその結果、試作品を作る手間が増えました。(ぴったり貼り合わせないといけないので。)
  • オモテ面に、社名を入れるスペースを確保。ここにURLと電話番号も入ります。
  • オモテ面のmm尺の0.5mm目盛りは、40mm~80mmの間(=後ろ半分)に減らしました。(短く刈り込んだ目盛りとは言え、やはり「素早く1mm単位の数字を読み取る」ためには障害のようなので。)
  • ウラ面の定規は、全編0.5mm目盛り「有り」にしました。
  • 簡易「級ポ表」の「mm目盛りとの連動」は諦めて、数字を大きく。……そうするとこの位置に配している理由が希薄になってきますが、まあ「縦長の表」だから構わない、ことにします。
  • 普通の(=読み取りやすい)「書籍寸法」と「用紙寸法」の表を載せました。(三五判や菊判は、新型メモリには搭載できませんし。)
  • 「A」→「A判」、「長」→「長型」とするなど、分かりやすい表記にしました。(自分だけが使うツールではないので。)
  • ウラ面に、洋紙寸法の対象関係図を掲載。(倍数関係が直感的にワカるように。)
  • ウラ面に、階調の少ない網点スケールを掲載。
  • ウラ面に、ポイント基準の罫線スケールを掲載。


b0062477_1475976.jpg


また、和文書体にモトヤ「シーダ1」を使用していましたが、モリサワの「新ゴL」などに変更しました。欧文は基本的にFutura(Bitstream版のMedium CondensedとLight Condensed)です。
まあ、ということは僕が個人で、シーダ1を基調とした「非商用版」を作って無償配布するなら、良いわけですよね? ……こんなこともあろうかと、僕個人でも作って良い、ようにしてありますし。

さて正直なところ、非常に濃密だった0.3に比して、密度が下がってしまった感は否めません。
加えて、コンセプトが散漫になってしまっています。
……これらの問題点については「0.5」以降で改善してあるので、それは次のエントリにて公開予定です。

さて0.3で採用した、“画期的なのだか意味不明なのだか分からない”新奇なるニュータイプの「積層型複合メモリ」は、数週間にわたって試用してみたところ……
 『使いづらい』です。
……どうも「馴れれば良い」というレベルでないような気が。
(すでにv0.4にて「簡易ポイント尺」は諦めてしまっていますし。)



ま、そんなこんなで、「編集尺」(この意味で使ったのはGoogle等の検索エンジンで探る限り僕が最初のようなので、パテントとか取っておいたほうが良いのかなぁと思ったりもします)の「これからのあらすじ」:
  • v0.4において両面化(片面では勿体ないから)、
  • v0.5において片面カラー化(両面モノクロではつまらないから)、
  • v0.7において両面カラー化(せっかくなら両面、ってことで)。
  • v1.0=完成。もう完成版が、あるのです。


され、これが、どう転んだか。
それについては、また明日の分のエントリにて。(って今から書くんですが。)

(いやはや、本当は2か月ぐらいかけて書く予定だったんですよこのシリーズ。おかしいなぁ。)
なぜこんなに急いでエントリ群を展開しているのかは、まあ想像していただければ。


ていうか、次号、発表。
大発表?





(2006.07.07追記)

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メディアの海の片隅で、ぷかぷかと漂っているクラゲ。文字とか組版とか、勉強中。


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