「の」の前と後ろ。

 「の」の前と後ろ、と言っても字形や詰め組みの話ではなくて。

グループ書体 - 築竹な日々 - 取り留めのない話
http://shotai.g.hatena.ne.jp/karpa/20050425

 で取り上げて頂いているわけですが、なるほどなぁとなむ思ったり。
 今日は脳は死にかけてますが手が空いてるので、図示で行きます。というか文章にできるほどこのあたりについて知らぬからなのですが。イメージ、イメージ。

b0062477_234293.jpg


 ↑明朝体「の」アルファベット。Fを用意してみました。リュウミンで。
 左は本来の従属欧文。右が自作。
 んー。ぎもぢわるい。
 でも慣れの問題なんですかね。あと、僕が数分で適当に組み合わせただけというのも理由かもしれませんが。

b0062477_23414859.jpg

 ↑ここで謎の図が登場。
 左端は漫画の組版。アンチックに相当するのが手元にないので御容赦を。
 二番目が本文の世界。
 右二つは手書きのつもりで。
 ならんでる順番にはあんまり意味はないのです。





 改めてみてみると、四角囲みの意味が場所によって違うという言語道断な図ですね。
 「かな」と書いてる部分は明朝体の仮名を入れてあります。それぞれ別の書体ですが。

 たぶん僕とkarpaさんでは楷書体という言葉の使っている範疇が異なっていて、それは僕が、現時点のWikipediaの解説[[明朝体]]を読んでそこにうまく追記できなかった理由とも連なるわけだろうと思います。
b0062477_2342224.jpg

↑たぶん 明朝体‐Wikipedia の解説はこんな感じなのではないかと。

 かな - 漢字をひとつのものとして捉えると、当然こうなりますね。
 じっさい漫画の吹き出しの文字についての説明は「ゴシック体と明朝体の仮名」と説明すれば、まあ間違っていないですし、
 「仮名・漢字ともに明朝」になっている本は「同人誌っぽさ(よく言えばハンドメイド感)」が充満。ワープロ時代に気合いと根性で手張り混植していた人たちもいるそうですが(実物未見)、昨今「コミックフォント」の台頭で「商業ベースっぽい」ものが増えている……のでしょうか。(統計とか持っていませんし、そういう蔵書のある知人の家にここ数年遊びに行っていませんので。いや本当に。)

b0062477_23424411.jpg

 ↑で、僕の中の「かいしょ」
 グリーンで網かけするまでもなく、四角いところですね。

 明朝体「の」仮名ってぇやつは、少なくともふたとおり意味があるのじゃあないかと思うわけです。
  1. 明朝体「の」デザインの仮名
  2. 明朝体「の」漢字に最適化された仮名


 前者は先回の、大蘭明朝かなD とかで、あと最近近所の看板でみかけたので今度撮影してきます。
 前者にはまらない、上に、グリーンのところに入る、と書いてあるのが僕の前々回のエントリで、
 漢字に対して最適化された書体で、それは(狭義の)楷書体の漢字と決して適合するものではない、というkarpaさんのエントリは、
 それぞれ違う視点から見ているのかなぁと理解します。

 とはいえ僕も「明朝体の仮名」と日常いいならわしているわけで、しゃあないので「楷書系」となむ書いてみたりする今日この頃。

 ですがそもそも楷書ってなんなのか、いまいちワカっていない気がしてきた鉄と亜鉛は、とりあえず手元にある三省堂の現代国語辞典を引いてみるのです。
かいしょ【楷書】<名>漢字の書体の一つ。崩さずにきちんと正しく書く描き方。


 ぬ? 漢字の書体の一つ?
 まあ一般の辞書の定義は神さまではないですが、どうなんですかね。
 そういえば篆書の仮名というやつは、存在するようでしないようで。
 (ディジタルフォント製品には入ってますが)

 英語のブロック体も楷書と訳して間違いではありますまいから、その意味で、一般語としてのカイショというのはグリーン範囲なのでしょうけれど、それはきっちり考えていくには障害になるのかもしれません。

 では実際に、ということで楷書体フォントの漢字に「明朝体に最適化された仮名=明朝体の仮名」を混植した文章を……
 用意しようと思ったのですが、間違えて逆(明朝漢字+楷書仮名)で作ってしまって残念。

 ↓ところでさっきの図ですが、両方重ねると大変なことになります。
b0062477_2343576.jpg

 ……別に大変でもないですね。


 GT明朝については深い意味があって書いた文言ではありませんので……。
 単純に「なにが違うの」と僕よりもそのあたりをまだ把握していない人に問われて説明するときに「明朝体と教科書体の中間くらいー」となむ言えるように。僕の周りの職業人はその双方の特徴は知っていて、GT明朝など知らぬという人が多めでありますゆえに。



 あーなんかこのエントリ支離滅裂。(この、だけではないですがー)


 読み返してみたら話が噛み合っていませんね。うーむ。まあとりあえず。


<4/27追記>
 広義の「楷書系」の中における
  1. 明朝体「の」カタチの仮名
  2. 明朝体「の」ための仮名

 ですね。このほうがシンプル。

 若干矛盾するように見えるかも知れませんが、ラーメンが本場のそれと日式のそれが異なっていてそれぞれ一大文化であるように、この独特の組み合わせは素晴らしく、そのゆえにこそ日本の活字文化は育ったのかなぁと想像をたくましくします。
 明朝体の仮名は明朝体のカタチの仮名ではなく/しかし明朝体のための仮名であり、これを発明した明治の人は凄いなぁと思います。って感想ばかりですが。
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by fezn | 2005-04-26 23:26 | Typeface


メディアの海の片隅で、ぷかぷかと漂っているクラゲ。文字とか組版とか、勉強中。


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