広告宣伝と書体の関係の一例。しかし創挙蘭というよりも……

 やはりストックからエントリ。

b0062477_23171777.jpg


 広告。中山広場のところです。
 んー、でもここの写真の例は、創挙蘭というよりはタカデザイン系列っぽい?

 僕が創挙蘭あるいは綜藝体を最初に取り上げたのは、まあこれが目立つし文化交流というテーマが明確……とか、単純にこの書体を気に入っているからでもあります。
 これ、まだ駆け出しのころ(今も青二才ですが)表紙に使うよう提案して却下されたり、その直後に他社の同種のもので使っていて無念だったりした思い出の書体。しかし確かに、上手く乗りこなすのは難しいでせう。ふむ。

 さて僕は、創挙蘭にあたる書体がたくさんあるだろうという予断を持ってでかけたわけです。それは予め以下の記述を読んでいたから。

ランダムノート
http://www.type-labo.jp/randomnote.html
の「海外漢字パワー 1988年5月」のところ:
 街で手に入れた雑誌や新聞をホテルの部屋でじっくり眺めていると、その書体は広告の見出しや広告主名などにかなり使われていて、大袈裟にいえばカラー広告の3分の1にはこの書体が使われていた。
 末端を水平垂直にし、極端に整理したサンセリフのエレメント。ふところを大きく取り、四角を意識した字面。われわれ日本人にはマネできそうもないバランス。このスタイルの書体はかなり前からあるらしく、似たようなレタリングもあちこちで見かけた。

 ……と、香港ではかなり使われていたらしいわけで。大連ではほかにも書体はいろいろあったわけですが、たしかにたくさんあったように思います。
 日本で見ることのできる綜藝体などの字は、基本的に日本の字種です。簡体字のバランスの中での創挙蘭や綜藝体は、また新鮮なものです。

 詳しい来歴etcは写研ないしダイナコムなどに聞けばわかるのかもしれませんが、この書体はもともと大陸でデザインされて使われていた、ということでしょうか?
 じつはゴナ(か、それに非常に近い書体)の簡体字のものも結構みかけたのですが、かなり完成度が高いように思います。写研の海外法人が作ったものを使った広告だったのでしょうか?(すみません写真撮れませんでした) ナール系のものもたくさんありましたが、これは本来のものほどにバランスが取れていたようには感じませんでした。

前出の欣喜堂コラムには、こういうことが書いてありました。
 オリジナル書体ばかりが注目されるのであるが、中国の優れた書体を国内へ繋ぐという仕事もまた、文化的に意義深いことではないだろうか。また、自分自身にとっても復刻という仕事こそが、書体の本質を知るもっとも有効な方法であると思えるのである。
 書道では臨書というのがある。勉強、訓練ということでいえば、タイプフェイスにおいても、篭字にして中を塗りつぶす方法などによる優れた書体の厳密な観察が、血となり肉となるような気がするのである。


 話は変わって冒頭の写真、少し見づらいですが「重ね角ゴシック」にあたるものが使われています。重ね丸ゴシックも頻繁にみかけました。これはナールの食い込みかな文字盤etcの影響なのでしょうか? 写研やモリサワは欧米やアジア各国に手動組版機を輸出していたわけですしね。

 右側に書かれているのは、江沢民氏の筆の写しでしょうか。百年風雨に洗われて、北方の輝ける宝珠となる。……とかそんなような意味だと想像。微妙に違うけどまあいいか。1999なので100周年のときに書いたのでせう。
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by fezn | 2005-01-26 23:59 | Typeface


メディアの海の片隅で、ぷかぷかと漂っているクラゲ。文字とか組版とか、勉強中。


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